読書感覚文
主観と感覚のままに書き殴ります。ネタバレは、未読の方が今後読んでも楽しめる範囲で
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くすぐり闘士の無魔術乱舞
くすぐり闘士の無魔術乱舞
第17回えんため大賞<特別賞>



(あらすじ)
 魔術学院にて、くすぐりのみを特技とする能力無しの主人公が、強い能力者たちをくすぐって倒してゆく。

・くすぐりフェチ向け
・ばかばかしさ全開

スラップスティック。おバカ系小説として優秀。
「くすぐり」というワンアイデアを上手くエンターテイメントに昇華させた作品だと思います。
無能力である主人公を馬鹿にして戦いを挑み、ボロ負けして、なんども再戦するヒロインがかわいい。
一戦目は腋。
二戦目は膝の裏。
三戦目は脇腹。
四戦目は、背、首筋。
と、部位が変わってゆく面白さ。
魔法学園モノ。
魔力をマジックイーターに食べられてしまった妹のために戦う設定がわかりやすくてGOOD。
p.130
「(マジックイーターを見つけ出し)この手で、自分の所業を悔い改めるまで、くすぐり倒してやる!」
このばかばかしさ、たまりません。

なかなか笑い出さないヒロイン2の意外な弱点とは!?
どんな人間もくすぐり笑わせる能力を身につけた主人公に笑わせられない相手とは!?
堅物女をくすぐるとどうなる……!?
↑こんな引っ張り方も好きです。

ダブルヒロインをあえて類型的なキャラクターにしたことで、ワンアイデアがより生きたのではないかと思います。
今年のえんため大賞、ゲテモノが多く豊作です。


主観:(+)

オススメ度:B


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ちょっとイカれたスラップスティックコメディ好きにオススメです↓




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異世界スーパーマーケットを経営します ~召喚姫と店長代理~
異世界スーパーマーケットを経営します ~召喚姫と店長代理~
第17回えんため大賞<特別賞>



(あらすじ)
 素人呼ばわりされ企画書に目を通してもらえないスーパー店長代理が、異世界に召喚されて商業地区復興に挑む。

・トレンドの経営モノ
・借金カウントダウンはわかりやすい
・盛り上げ上手

他社新人賞ではギルドやらレストランを経営。各社軒並み異世界での経営モノが受賞しているという事実に、少し狂気を感じます。
経営モノが流行っているのでしょうか。流行らせたいのでしょうか。

『もしドラ』以降増えた経営モノ。
「誰が」「どのような状況で」「どのような困り事を抱えているか」に目を向けることで解決に繋げていく。そんな過程を楽しむジャンルと言えるでしょうか。
今回の異世界は「レストランが無い」→「食材を買って調理がたいへん」→「加工した食品に需要がある」という発想で「ケチャップ」を売り出すエピソードがあります。

地区の抱えた借金を返すという目的がはっきりと最初に明示される。
順に見込み客の需要をあぶり出し、供給に繋げていく。
借金返済に大きく進展。
邪魔が入る。
葛藤、主要登場人物同士の喧嘩を乗り越えて希望を見いだす。
イレギュラーによって、希望の光が潰えそうになる。
絶望にかわりそうになったころで……思わぬ救い。
主要登場人物の心境変化(成長)を各々確信して大団円。

手順がしっかりとしているのでエンターテイメントして最後まで飽きずに読み進めることができました。
p.287のソレイユさんの台詞にはスカッとしました。
ラストの展開が甘やかしに見えないよう、序盤にひと工夫があるのが信頼できます。
えんため大賞は例年構成のしっかりした作品が多い印象があります。


主観:(+)

オススメ度:B


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経営モノジャンルが好きな方、入門書としてもオススメです↓




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ブサイクですけど何か? 天才魔術師最大の欠点
ブサイクですけど何か? 天才魔術師最大の欠点
第17回えんため大賞<特別賞>



(あらすじ)
 魔王の呪いで生まれながらブサイク顔の性格クソ主人公が、視力を奪われた天真爛漫な少女の呪いを解くために奮闘する。

・良いゲテモノ
・ブラックユーモアが利いている
・主人公のクソさ加減にスカッとする

外見の善し悪しは、個人の感覚によって違う上に個人の生理的価値基準に強く影響します。
それゆえに、誰しもが「ブサイク」と感じる人物を主人公に設定するのはかなりの冒険。
主人公が「いかにブサイクであるか」という描写を「顔が崩壊していた」のひと言で済ませたのは、安全策としてかなり優秀だと思います。
可愛いモンスターを平気でぶち殺したり、顔が「ブサイク」という理由で登場人物に人格否定させたり、容赦ない。ここまで躊躇なくやってくれるとすっきりです。
ラストのヒロインの対応はお見事。
誰しもが「ブサイク」と感じると設定しておいて、ラストでヒロインに「あなたの顔、カッコいい」なんて吐かせるなんていう最悪の展開にならなくて本当によかった。それをやっちゃうと一気に似非美談化してしまうからね。
難しい題材をよくまとめ上げた作品だと思います。
えんため大賞の新人賞歴代受賞作はかなりエンターテイメント水準が高いものが揃っていると思います。


主観:(+)

オススメ度:B


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吹っ切れたブラックユーモアを楽しみたい方にオススメです↓



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Zぼーいず/ぷりんせす
Zぼーいず/ぷりんせす



(あらすじ)
迷子の死神姫(幼女)に命を奪われた健太郎と文吉はゾンビになる。不死身の肉体を手に入れた二人は、通り魔事件に巻き込まれる。

・75点中75点満点!
・さくっと読めてしっかりと楽しい
・地に足のついたライトゾンビコメディ

田口作品の魅力はさくっと読めるライトさとシンプルさとメリハリです。
本作はその魅力がぎっちりと凝縮された秀作だと思います。

三部構成というラノベにはなかなか見られない構成。(実際のところ、内容的には三部構成になっている作品はたくさんあります。無駄に章を分けすぎる本が多いのが実態です)
主人公ゾンビになる→通り魔事件が発生→解決
シンプルな流れですが、起伏がはっきりとつけられているのですんなりとストーリーが入ってきます。展開がサクサク進むので非常に読みやすい。
挟み込まれるギャグがブラックで笑える。
p.112「額から後頭部に抜けた光線は、健太郎の背後の街路樹を焦がす。」
主人公はゾンビなので死に放題です。

「愛するものの死」ってテーマをライトノベルで扱うの、もの凄く難しいはずなんです。
本作は見事に、コミカルな雰囲気の中で、不快にならないスレッスレのバランスを保ってくれていると思います。
p.193からの強烈なシリアスシーン。
ここでおどけトーンを一旦封印して、きっちりシリアスをやってのけるから、前半の楽天的な雰囲気が対比として生きてくる。絶妙なバランスです。この対比、つけすぎたりつけなさすぎたりするだけで大失敗に陥る可能性があるところ、本作は本当にすばらしいと思います。
笑いあり、泣きあり、アクションあり、……で、安心のどんでん。
文句なしにオススメできます!

発売年が不運でした。打ち切りになってしまいとても残念。再評価の価値は十二分にあると思います。


主観:(+)

オススメ度:B


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不遇な秀作を再発掘したい方にオススメです↓


2巻と3巻も合わせて、ざっくり楽しめます↓






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下読み男子と投稿女子
下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。



(あらすじ)
ライトノベル新人賞の下読みバイトをする高校生男子が見つけた投稿小説は、同級生女子が書いたものだった。彼女は一次審査通過をしたことがないという。彼は彼女に接近し……。

・見事な青春小説
・展開がわかりやすい
・引き際の鮮やかさに感服

本当に安心して読み進めることができました。
出会い→衝突→接近 の展開の持って行き方が見事。
着実に順序立てて距離を詰めてきたからこそp.82の「キター!」という感動は大きい。
日常を描きながら展開の起伏をつけるお手本のような作品。
主人公とヒロイン、出会い、それぞれの掘り下げ、それぞれがそれぞれの思い、葛藤、壁を乗り越えて……、クライマックスへ!
vsババア戦は燃えました。ババアを完全悪と切り捨てず地に足の着いたフォローを施すところがまたステキ。
ヨロイザメというマスコットが非常に良いアクセントになっています。
気の利いた台詞、表現は野村先生ならでは。
p.120
「とても……広い人だわ」
ヒロインのキャラが、同じファミ通文庫の黒崎麻由と被っているように見え、読んでいて少し罪悪感を抱きました。汚れた見方をしてしまって申し訳ない。
エピローグで拍手喝采。大変完成度の高い良作でした。

最後に。サブタイトルの『優しい空~云々』はいらん。下品。本作の質を落としている。抽象的だという理由でボツにしたタイトル『優しい空と内気な海』を、ちょい変えしてサブとしてお披露目したのだと邪推。『優しい~』はメインタイトルにしないのなら、出すべきでは無かった。サブタイトルはよほど必要性に駆られない限りは付けるべきで無い。


主観:(+)

オススメ度:A


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ウェルメイドな作品を楽しみたい方にオススメです↓





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猿渡さん家のラグナロク
猿渡さん家のラグナロク



(あらすじ)
家族でMMORPG『ライブライフオンライン』にはまる猿渡家。ある日、価値観の違う隣人一家と大げんか。PvPトーナメントで決着をつけようと言うが……。

・田口作品、久々のファミ通文庫で最新作きた!
・さっと読めてふっと笑える
・安定の田口節

まず田口作品全般に関して。
田口作品の魅力はなんといってもざーっと勢いだけで読めるシンプルさ、メリハリだと思っています。
ゆえに、凝った設定、練り込まれた伏線、リアリティ溢れる描写、キャラクターの掘り下げを求めるのはそもそも間違い。じっくり腰を据えて読むような作品ではそもそもないことを明言しておきます。
ある程度の展開をきっちりと並べ、コンパクトに話をまとめる技量!
読者がライトノベルに何を求めるか? 「さくっと読めてそれなりに楽しめる」ことを求めるなら文句なしに田口作品を推します。
それが魅力です!

で、それはそれとして、本作はというと……
「おもしろくなくはない」
という読了感。
『吉永さん家のガーゴイル』の11巻よりは上。『Zぼーいずぷりんせす』の1巻よりは下。という感じ。
展開はきっちり用意されているし、イベントも盛りだくさん、ギャグも入っている。ラストのミューズの対応には唸るものがありました。まとめ方はさすがの技量。
しかし、「なんかぬるい」のです。
残念ながら、心地よいタイプの「ぬるさ」ではなく、消化不良タイプの「ぬるさ」の方です。
中盤、主人公サイドへの追い込みがあまりに緩すぎる。「え!? その程度?」というぬるい展開を、無理矢理盛り上げているような。「くだらないことに登場人物が本気になっている!」というスカシギャグとして取るのは無理です。スカシとしてはあまりに重いし、追い込みとしては軽すぎる。
実際の家族がオンラインゲームをやっているという初期設定そのものが、物語全体のぬるさを作り出している気がしてなりません。
「寄せ集めの家族」の対比として「実際の家族」を主人公として据えるのであれば、現実世界の描写は必要だったのでは無いでしょうか?
現実世界をまったく描かないというのは面白いアイデアであったはずなんですが……
結果として、甘やかされた世界で甘やかされ続ける人達が互いに甘やかし合っているという、嫌な取り方もできる作品に仕上がってしまったと思います。
ゲーム内という舞台設定でハートフルをやるのは、実はかなりハードルの高いことなのかもしれません。
田口先生独自のシュールなギャグがうまく生きてない部分が散見されるのも痛い。
『ガーゴイル』のような「ごく普通の家庭に門番が居る」「町の人の順応性が高すぎる」「なぜか怪盗やら錬金術師がいる」という笑いが成立するのは、舞台が我々が普段生活しているのと同じような普通に見える町(物語内制限が読者に想像可能な舞台)だから。シュールなギャグが成立するためには舞台と事象のギャップが必要なんです。『ガーゴイル』の「もうなんでもありじゃねぇか!(笑)」という面白さは、舞台設定によるところが大きいと考えます。
本作のように元からなんでもあり見える舞台(物語内制限が読者にはっきりと明示できない舞台)でシュールなギャグをやられても、その「おかしさ」「変さ」が読者には想像しにくい。結果、狙った笑いがずいぶん目減りしてしまっていると思います。

それでも!
やっぱり嫌いになれない田口作品!
ぬるさのために起伏がなだらかなものの、クライマックスのどんでん&どんでんには一定量の面白さがありますし、キャラ同士のアンサンブルは楽しい。全体の八割以上のシーンに二人以上のキャラが登場しているというのは、展開をわかりやすくするための大きなポイントです。
読了時間に対する満足度は低くないです!
さくっと余暇の時間を楽しみたい方にオススメです!


主観:(+)

オススメ度:B


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渚のロブスター少女
渚のロブスター少女
第6回えんため大賞<優秀賞>



(あらすじ)
 正義の味方に拘りを持つ真太郎は、ロブスター型海難救助スーツRユニットを完成させ、妹深青に試用させる。妹思いの真太郎は、泳げない深青のために助力する。

・兄がかっこいい
・「海老原深青、行きますっ!」
・スク水ニーソ

ある日突然正義の味方になる少女の物語。
バンドウイルカのククーラとの関係がほほえましいです。
えんためさんところではやや珍しい三人称形式。
映像化を意識して客観的表現を心がけているように見受けられます。
兄の分析はなかなか読んでいておもしろい。
正義の味方と銘打っているものの、予想外の大事件は起こりません。
おそらく最終的に個人レベルでのテーマ収集に落ち着けるためのものでしょう。
ただ、せっかくのテーマ設定なのでもう少しキャラを窮地に追い込んでやってもよかったのかな……と惜しい気持ちは残ります。
陰謀なるものが物語中盤から終盤にかけて見え隠れするのですが、あのスカシは、拍子抜け。しかし、この小説のほんわかした雰囲気にはちょうどよいのかも。
最後にひとつ。p.173の挿絵のゆーみちゃんの服装が違います。文と絵が明らかに違うって言うのはさすがに読んでいる途中に萎えるのでしっかりして欲しいです。


主観:(-)

オススメ度:B


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黒崎麻由の瞳に映る美しい世界2
黒崎麻由の瞳に映る美しい世界2



(あらすじ)
 三学期に入ったある日、光輝と麻由はピアノコンサートへ行く。ピアニストの青島は彼らの高校の先輩にあたり、麻由の生みの母である故藍坂奏の教え子だったらしい。本格的に青島の元でピアノをやりなすことにした麻由は、クラスメイト柴原の所属する合唱団のピアノ伴奏をすることに。師弟関係、友達関係を深めていく中、突然麻由の父黒崎壮二が現れる。

・恋と救済の物語
・まゆちの変化を見守り、応援したくなる小説
・ノギハラ編
・キャラの関係が鏡になっていて、一巻と読み比べるとおいしさ倍増!

まゆちのサービスショット多くて美味しかったです。
一巻の見事なグレードアップと評して間違いないと思います!
黒井&黒崎
青島&ノギハラ
の関係が見事に鏡になっていておもしろい!
黒崎を救済した黒井。そして、ノギハラを救済できなかった青島。
黒井君の裏にノギハラ君が見えるというのも一興。

ウィッグとヅラのくだりは面白かった。美黄川さんのキャラははっちゃけてていいですね。この子が出てくるだけで、引き締まりすぎた空気をゆるめてくれる。
黒井黒崎のカップルの進展を追うのも楽しかったです。
電話シーンが全三回p.90~、p.145~、p.245~、と明確な関係の進歩が見られます!
p.264のオチもよかった。微笑んでしまいました。

正直、この後、ノギハラ君の立ち位置をどうするのか、まったく予想がつきません。
次巻も楽しみにしています。
最後に。
p.248「トレイ借りていい?」の誤植は、せっかくの高まってきたシリアスなシーンぶちこわしですよ(笑) 「リビング出て右の扉」に「おぼん」って……。
首をひねりながら「トレイ」でなんとか解釈しようとがんばってみましたが、無理でした。席を立つ口実に借りるものと言ったら「トイレ」ですよね。


主観:(+)

オススメ度:B


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赤城山卓球場に歌声は響く
赤城山卓球場に歌声は響く
第3回えんため大賞<大賞>



・良い本を読んだという気分になれる
・一人称形式がうまく生きている
・シュール要素あり
・キャラの絡み合いが楽しい
・首尾一貫

タイトルからストーリーが想像不能でした。
冒頭でいきなりずらっとキャラが紹介されたので焦りましたが、すぐに、会話のやりとりや動きを通してキャラが把握できるように描かれているので親切。
る子ちゃん可愛いです。
ユリノさんおもろいです。
一人称の描写はとにかく丁寧です。
写実的でありながら主人公朝香の受けた印象を正直に綴った文体はとても読みやすい。
赤城山の描写なんかすごくセンスを感じます。
要所要所で過去のことを思い起こすという描写。
タイミングが見事です。自然に入っていけます。
序盤の描き方が大変リアルなため、中盤以降の荒唐無稽展開に一瞬「ん?」と戸惑うこともありますが、朝香ちゃん&華代ちゃん&センセーのプチ三角関係を使った心象描写、挿入されるにやにやイベントで外連味を効かせて素晴らしい。
朝香&華代のやりとりも、決戦に向けた重要な役割を担っていて、本当に余分なシーンがありません。
全体として会話ひとつとっても、テーマを最大限に生かす工夫が施されていて見事です。
展開に関して、「世界の危機」感の説明が少し弱い気はしました。
しかし、決戦のシーンは王道展開ながら丁寧で説得力を持った描写。
る子ちゃんの役割(残酷な状況の説明)効いていますね。
お約束展開、まっすぐストレートすぎるほどの王道エンド。
素直に描き切った技量と度量にあっぱれ。
読み終えた直後、「良い本読んだなぁ」と余韻に浸らせてくれる締め方も実に見事だと思います。


主観:(+)

オススメ度:B


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「わたしと空と、どっちがキレイ?」
「お前の方がキレイだよ」
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黒崎麻由の瞳に映る美しい世界
黒崎麻由の瞳に映る美しい世界
第16回エンタメ大賞<優秀賞>



(あらすじ)
 黒崎はまるでお化けのようにおとなしく無口な少女。教室で浮いた存在だった彼女を、黒井は文化祭の準備に誘う。少女は、徐々に生きた人間の表情を見せ始める。

・二回読むことを推奨
・登場人物の心の作り込みが見事
・噛めば噛むほど味が出るタイプの小説

まゆちかわいい。
ページ開いてまずびっくり。39字×36行ですよ。えんためさんとこは34行が多いので若干圧迫感。『アンダートラップ』を思い出しました。
さて、読み始めてすぐ、「あ、ウェルメイド感……」と。展開追っかけるタイプの小説ではなく、登場人物の関係性や、心の動きを想像しながら楽しむタイプの小説です。
赤城君、白石さん、ういうい、柴原さん、みんなキャラクター立ってますね。
本当にみんな生き生きしていました。
先生、各キャラの精神構造かなりかっちり構築していらっしゃるのだと思います。

ネタバレはしません。
が、ラストの展開について。
p.296以降、
あるキャラがあざといぐらいにテーマらしいテーマを主張します。
これがメッセージですよ、と言わんばかりに。
……初読時はまんまと騙されかけました。
本質はもっと、私欲にまみれた人間的なテーマだったんですね。
じゃないと、各章の節々にアレを挟み込む理由がない。
第二章、第三章、第四章と進化していくアレ。
本当に人間的で、だからこそぞっとするものがあります。

ラストの一行は綺麗に決まっていると思います。
帯では『英雄譚』と煽られていますが、私は、まゆち自身の意志と決断を尊重したいと感じました。


主観:(+)

オススメ度:B


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じっくり読むタイプの良質な青春学園小説を読みたい方にオススメです↓




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