読書感覚文
主観と感覚のままに書き殴ります。ネタバレは、未読の方が今後読んでも楽しめる範囲で
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ギャルゴ!!!!!
ギャルゴ!!!!!
第3回MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>



(あらすじ)
死んだ占い師の祖母から「人間以外の多くの女性から愛される」と遺言を受けた主人公が、様々な人外ヒロイン達とともに都市伝説解明に挑む。

・キャラクターに魅力大
・ワンシーンが濃密
・台詞劇か

ドーベルマンが下校時に校門で待っている絵がシュールで面白いです。かま子かわいい。
単五乾電池一本で一ヶ月間動けるお人形さんしかり、人外ヒロインは魅力満点。
コトリさんの、天然でほんわかだけど嫌いな奴には容赦のない爆弾発言を浴びせかけるというキャラが面白い。
p.172の桑島くんをあしらうシーンは大層愉快です。

設定を台詞で説明しすぎではないでしょうか。
p.27
「下ネタをよくいっちゃうの! (中略)わたしがそういうこというの気になったら、ごめん我慢して、サラッと聞き流してね」
エリアスさん。具体的に下ネタを発する前にそれ説明したらダメですよ……。キャラ本人にこういうことを言わせてしまうと、作り手側の「このキャラはこういうキャラでいきます!」という主張に見えていまい、読者視点萎えます。ストーリーの中で、いかに自然にキャラクターを提示していくか。検討していただきたかった。
さらに、登場人物が、過去にあった出来事、生い立ち、思惑、葛藤をひとりで演説し始めるシーンが多々あります。
半ページとかにわたって改行もなしにダラダラ説明台詞を読まされるのは正直苦痛でした。

ごめんなさい乗り切れなかったのは私がせっかちだからなんだと思います。
必然性のないくどい描写でワンシーンワンシーンが間延びしている感じが苦手でした。くどい言い回しやパロディ、実在する有名人を使った比喩表現などが好きな方にはオススメではないでしょうか。
クライマックスの決意のシーンではちゃんとうるっときました。


主観:(-)

オススメ度:B


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星降る夜は社畜を殴れ
星降る夜は社畜を殴れ
第19回スニーカー大賞<特別賞>



(あらすじ)
高校を中退してブラック企業に勤める立花アキトが、残業を強要してくる社畜と戦う。

・おバカコメディってこういうのです!
・ネタのオンパレード
・ここまでふざけきってくれると痛快

入院中の姉のために高校を辞めてブラック企業に就職。
重めのテーマの話かと思いきや……
おバカコメディでした。
流血します。なんか人死んだらしいです。でも、ずっと悪ふざけです。
もちろん褒めています。
定時退社しようとする主人公に対して、係長が無数のコピー用紙を投げ「ペーパー・トルネード」と叫んで攻撃してきたり、平社畜三人が肩を組んで「残業、残業、ざんぎょ三兄弟」と歌い出したり、主任が戦隊ヒーローのコスプレをして「社畜戦隊イエスマン! ただいま参上!」と口上を述べ行く手を阻んだりします。
p.57~
主人公、緊縛麺による攻撃を受ける
→拉麺ならば食べられるはずと思い食べてみる
→美味い!
→敵「うわっ、汚ねっ」「さっき床に転がってただろ。バイキンくっついてるぞ」「3秒ルールを知らないのか。ペッしなさい、ペッ」
→主人公「オレの胃袋は特別製でね。3秒どころか3分は余裕でオッケー」
さらにこの場面、主人公の麺を口に含んだ瞬間の描写が長い。細かい。食レポか!
これだけ狂った展開にしてくれると、もう楽しむしかありません。
ジェットコースターに乗った気分で勢いに任せて読み進めるが吉!

ゴールが不明なのがちょっと難点か。読んでいる最中、「いま何を読まされているのか?」と我に返ってしまうことがしばしばありました。
要は、次に何が起こるのかがわからなすぎるということ。日常は無限に続いているのに、ターニングポイントが見えない。偶然に左右される現実。文化祭とか運動会とか行事がなにもない時期の学校生活という感じ。読者が「展開が読めない」という面白さを味わうためには、予め道筋を示しておく必要がある。「次、こんなことが起こるだろうな」「こうなったらいいな」という期待を読者が抱けないと、いくらその瞬間瞬間のギャグがおもしろくても、通して読んだときの驚きは得られないのです。
クライマックスに関しては、本編中なんども「死ねばいいのに!」というネタを入れておいてからの、一応のオチをつける処置として適切だったと思います。
ラスト5ページは、……ダメじゃない?
新人賞受賞作って帯つけて出している以上は、一冊の本として完結しておくべきでしょう。
「続きを臭わせる」という終わり方は表現の方法のひとつとして否定はしません。しかし、本作は明らかに「次のパラグラフがない」という状態で終わっています。
あと一行でよかったのです。形式だけでもちゃんと一冊の本を締める一行が必要だったと思います。


主観:(-)

オススメ度:B


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オススメです↓





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スレイヤーズ!
スレイヤーズ!
第1回ファンタジア大賞<準入選>



(あらすじ)
「悪人に人権なんかねぇ!」と豪語する腕利きの魔道士リナはある日、野盗のねぐらからお宝を盗み出す。野盗を蹴散らすなんざ朝飯前。しかし、お宝の中に訳ありアイテムが紛れ込んでいたらしく、リナは追われる身となる。

・面白さの正道
・これぞ純ライトエンターテイメント
・ライトノベルに求めるもの

強い主人公、新たなる敵、決闘、敗北、再起、クライマックス、ハッピーエンド。
展開が本当に正しい順序で並べられているんです!
主人公が敵から逃げているシーンから始まるのが素晴らしい。
こういうシーンは、ベタだろうがお約束だろうが物語のフックになります。
冒頭で「お? 面白そうなこと始まるぞ」と読者に思わせることがいかに大切か!

ゴールを序盤に示しておくことで、読者は興味を保てます。
今何をしているのか?
何のためのシーンか?
きちんと読者が追いつけるように示すことがこんなにも重要なのかと、改めて思い知らされました。

外しのギャグが笑えます。
シモネタを含みますが、
p.129からの「犯す」「犯さない」のくだりはかなり秀逸。オチも見事。

ギャグをやってもキャラクターがぶれない。
↑これ、実はむちゃくちゃ難しいことです。コメディ小説でときどき遭遇する「がっかりキャラ崩壊」がありません!

総じて、読み終えた後の満足度は非常に高かったです。
たたみかける展開にギャグを挟み込んで息をつかせない。クライマックスの直前にきちんとシリアスシーンをぶっこんで雰囲気を落とし、盛り上げる準備をしておく。基本に忠実です!
なにより素晴らしいのはこの文量。250ページでこれほど展開があってギャグがあってこの満足度なら、文句なしにオススメです。

最後に本書末の解説に言及。
p.258
「選考委員が思わず目を見張るような新しいイメージをひとつでも描くことができたら、『スレイヤーズ!』は大賞に輝いたかもしれません」
ファンタジーにおいては“賢者の石”ではない“何か”、ミステリーにおいては“アリバイ”“密室”ではない“何か”を発明する必要があるというのでしょう。いつか打開されると信じて待ち続けたいです。


主観:(+)

オススメ度:A


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逃奏劇リアクターズ 阿頼耶識冥清の非日常
逃奏劇リアクターズ 阿頼耶識冥清の非日常
第10回MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>



(あらすじ)
天才陰陽師である阿頼耶識冥清は日常(異能バトル)を捨て、非日常(ラブコメ)へ身を投じることを決意し、里から逃亡する。追っ手に「天才は天才らしく」振る舞うよう諭された彼は反発、自分で選択した居場所を守るために、力を使うことを誓う。

・エンターテイメント性に富んだ文句なしの秀作
・テンポが良い
・状況の移り変わりが明確で、飽きずに読める

こんな生活もういやだー! → 非日常へ
という展開は実に王道的ですが、
特筆すべきは、日常が異能バトルで、非日常がラブコメだというところ。
第一章のテンポ感がすばらしい。
あっという間に住んでいるアパートが消失してくれるので、興味の持続が尽きません。

第二章での八雲さんの立ち回りがすばらしい!
p.89~のちょっとしたやり取り。あのおかげでラブコメ感の裏にただよう不穏感が良い味を出しています。加納さんとの接触シーンのおかげで、その後中だるみに見えそうな動きの少ない中盤も、妙な焦燥感を維持することができました。

単純なラブコメ部分もおもしろい。
p.123
「いやあ、女子に現を抜かすとは実にいい身分じゃのう。十億円の賞金をかけられ、いつ追っ手が来るかわからぬというのに余裕じゃな冥清」
同棲中の鬼姫が、こっそり合コンをしていた冥清に報復するシーン。
「十億円の賞金を(ry」というワンロジック挟むのが重要!
ヒロイン側がただの嫉妬に見えないように、好意を隠蔽するからこそ、ラブコメはおもしろい!
こういう場面で、主人公側が「なんで彼女怒ってるのかなぁ」などとぼけた内面描写のみで済ませる逃げが蔓延する昨今、よくやってくれました!

第三章p.135~p.141のヒロインのひとり相撲は、100点満点です。楽しいです。笑えます。文句ありません。
前段階で読者に主人公の情報を提示しているおかげで、見事なギャグとして成立しています。

終盤最大のカタルシスポイント。
主人公冥清くんの中で、彼の行動が『逃亡』から『選択』へ変わるところ。
彼が、彼自身の意思で、「居場所」を選択する。
だから、戦う。
これだけ潔くワガママを通してもらえるとスカッとします。

ラストにもうひと展開をもってきてくれるおかげで一層しまりがよくなりました。

p.289の引き際は鮮やかでお見事!
面白そうに始まって、綺麗に終わる。素晴らしいエンターテイメントでした。


主観:(+)

オススメ度:A


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異界の軍師の救国奇譚
異界の軍師の救国奇譚
第19回スニーカー大賞<特別賞>



(あらすじ)
家事スキルの高い男子高校生が異世界に転生する。転生先の王宮にて、ポンコツ姫の主催する昼食会を手助けする。

・スカシとしてはある意味成功
・女性キャラがみんな良い奴!
・原題『君とリンゴの木の下で』
・挿絵のラフ感

嫌いじゃないです!
魔法と剣モノと見せかけて……

(ネタバレ警報)

実は主夫モノ!
家事が得意な男子高校生が、魔法の世界で魔法をガン無視して家事のなんたるかを伝道する物語です。
こういうスカシは結構好きなんです。
序盤、牢屋で粗末な食事を出されて切れる主人公。
中盤、夢の中に現れた女神が土足で上がろうとするのを叱る主人公。
終盤、王女にお手製の梅干しを食べさせ反応を楽しむ主人公。
魔法と剣の世界では現代日本の一般知識が珍妙だからと調子を漕ぎまくる主人公。読者も一緒になって楽しみましょうというコンセプトなのでしょう。
タイムスリップものや旅行記モノにあるような、いわゆるカルチャーギャップコメディの一種。

そのカルチャーギャップコメディにのせて、ティアの成長を見守るという物語進行。
自己評価の低いヒロインが異分子の影響を受けて、次第に自尊心を身につけゆく。
テーマの設定がシンプルでわかりやすい!
『笑顔の仮面』に象徴されるのはティアの『姫』という肩書き。ラストシーンp.265の「治外法権」ネタで、かなり上手く落ちたように感じました。

アリーシャの味覚についての謎解きシーンは、最初の牢獄シーンが対になっていてよかったです。彼がそうだったように~というのはかなり納得。

もう一度いいます! 嫌いじゃない!
……ですが、擁護できない部分も多々あるというのが残念なところ。

日本文化を異世界にもってくるシュールさを狙っているのはわかります。
読者を日本人に狙いを絞っているからこその意図だというのもわかります。
ですが!
シシオドシの登場は唐突にもほどがあります。ああいう使い方をするなら、序盤中盤で出しておかないと駄目です。料理や服に関しても、物語で重要な役割を持たせるのであれば、きちんと序盤中盤で布石を置いておかなきゃアウト!
初っぱなのシーンで入れるのが難しければ、要所要所で、主人公が元の世界である日本を回想するシーンを入れれば済む話だったんです。女子にモテたくて身につけたはずのスキルのせいで四苦八苦するおもしろエピソードなんて、この作者さんならいくらでも入れようがあったと思います! 冒頭の裁縫部のエピソードが笑えるだけにもったいない!
物語上新出単語がなんの説明もなくしかも終盤重要な役割を持って登場するのは、一本の作品として駄目!

初っぱな、
現代日本にて、その後一切出てこないクラスメイト達との会話→公園→唐突な爆発→気付くと異世界→騎士に槍で突かれる
というのが第一章始まる前に一気に語られます。
荒唐無稽はいいんです! お馬鹿なノリでもいいんです!
しかし!
せっかくなんの能力も持たない主夫な主人公が魔法と剣の世界に転生した(しかも王国の城内)にもかかわらず、本作ではあっという間に姫の側近さんに受け入れられて庭師という立場に落ち着いてしまうのです。
この「立場が序盤にさっさと落ち着いてしまう」問題のせいで、主人公ダイチくんの「元の世界に帰りたい」という目的が、まったく危機感をもって感じられない。さらに、「これから面白くなりそうだ!」という読者側の期待まで削がれてしまいます。
p.43
「帰りたい、けど死にたくない!」「俺は命の危険が無いと保証された状態で行動を起こしたいと思います!」
主人公の情けない台詞はギャグとして笑えます。作り手の割り切りもわかります。
でも!
だったらその「命の危険が無いと保証された状態」にもかかわらず、「命の危険にさらされる以上の逆境」に陥るというような展開がないと、ギャグのフリだけやってオチのない、やりっぱなしに見えてしまいます。

側近やティアがあっさり異世界人認定しているところも少しひっかかる。
本作では「異世界から飛ばされた。侵入者ではない」と弁明するシーンをカットしています。
口で説明しただけで信頼を得られるほど彼の話術は巧みなのか? それとも異世界からの来訪という事態がそれほど驚くに値しないことなのか?
そんな疑問にくわえ、
p.85「君の身の上を知っている私には」
という側近さん。いやいや、あなた、知ってるんじゃなくて思い込んでいるだけでしょう!?
「~っぽい」という不確定要素だけで異世界人認定してしまうのは護衛としてどうなのか。と、首をひねってしまいます。

p.276
最終パラグラフの締めの行。
『救世主』じゃなくてそこは『軍師』でしょう!?
しまりが悪いと感じました。
『軍師』って単語が独特で出しにくいのはわかるのですが、そこは外連味でなんとかなります!
ここで嘘がつけないようなら『軍師』って単語のチョイスが失敗です!
『救世主』に『オカン』ってルビ振る方がまだマシです!

そもそも、
タイトル『異界の軍師の救国奇譚』の時点で『軍師』に『オカン』ってルビ振っておいた方がよくないですか?


主観:(+)

オススメ度:C


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