読書感覚文
主観と感覚のままに書き殴ります。ネタバレは、未読の方が今後読んでも楽しめる範囲で
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オレのラブコメヒロインは、パンツがはけない。
オレのラブコメヒロインは、パンツがはけない。
第27回ファンタジア大賞<銀賞>



(あらすじ)
 女子嫌いの男子高校生・及川弥代(おいかわやしろ)は純情可憐な委員長・星宮奈々(ほしみやなな)と学校の階段で衝突事故を起こす。彼女はノーパンだった。奈々はパンツを穿くと、五分でパンツが弾け飛ぶ体質。秘密にして欲しいと懇願され、応じる弥代。奈々は弥代が嫌う『女子』とは違っていた。徐々に交流を深め奈々を『友達』と認識していく弥代であったが、彼女の秘密に振り回されるうちに、『女子嫌いの弥代』が限界を迎える。

・偏見に満ちたあるあるネタ
・主人公の成長がはっきりと見える
・テーマが王道的で展開にしまりがよく、名作になり得た作品

まず、よかったポイントから。
女性差別レベルに偏見ひどすぎの主人公、なのに妙に説得力あるのがうざい(褒め言葉)です。
王道的な成長を予感させるすばらしいキャラ設定だと思います。
p.65からの教室での騒動は、まさにラブコメ感が全開でよかったです。
p.77の「死ね」発言、ノーパンの秘密を守るために弥代君が四苦八苦するシーンも笑えます。
p.87「だってさ?『女子二人と女子より可愛い男子一人』って表現したら、星宮はともかく茜は絶対にキレるだろ? そんなことしたくないよ、殴られるから」は、地の文じゃなくて口に出して、是非殴られて欲しかったです!
主要キャラ四人(弥代抜き)が立っています。
男の娘はいわずもがな、絶妙なヒロイン感がグッド。
茜ちゃんとの距離が良い具合に甘酸っぱさが醸し出せています。手を繋ぐ繋がないのくだり、お化け屋敷で昇華させるセンスもステキ。
メインの奈々ちゃんはp.144の顔、是非イラスト欲しいですね!
お姉ちゃんの俯瞰視点キャラは本作においての最重要ポジション。
ぐっとくる良いセリフも多かったです。
「いつまでもトラウマに頼っていたらダメだよ!」
「やっと……私のこと、友達って呼んでくれたね……」
「ダメかもな。でもこれは俺にしかできない」
p.167今後(続刊以降)の展開における延命処理も見事。
p.195で、去る直前の茜ちゃんの反応を描かないセンス、好きです。
p.257では、主人公の成長とともに、大きなカタルシスを感じることができました。

で、がっかりポイント。
p.91からp.134って後から入れたんじゃないですか?
どの段階で入れられたのはわかりませんが、ここ、致命傷です。
p.90の次の展開は、第三章のp.135が自然でしょう。
弥代君、ノーパンの秘密を知る→姉に相談する→翌日、姉に秘密をバラしたことを奈々ちゃんに謝罪→秘密についての具体的な実験
で、いいでしょう!?
物語上、弥代君が姉に相談して二晩も黙っておく理由がありません。
姉と星宮さんの交流シーン(電話も含む)を入れたいがために、作家の都合で日をまたいだようにしか思えません。
で、その交流シーン。
p.101のお姉ちゃんの「もしかして、今ノーパン?」発言と、p.112のお姉ちゃん視点の描写「そんなことをしても私にメリットないし、それに弥代に迷惑がかかっちゃうし」という部分は整合性がとれていません。お姉ちゃんのキャラがぶれています。
p.102の「秘密を守るためとはいえ主人公がひどいセリフを吐いてヒロインがショックを受ける」というコメディをやりたかった意図はわかりますが、優先順位を間違っていると思います。
しかも、このp.102で奈々ちゃん「私って……エロゲのヒロインなんだ……」とショックを受けて呟いているのに、p.141で「女の子に向かってエロゲのヒロインみたいとか、全然褒めてないよ!」って新鮮に驚いたら、おかしいでしょう。p.137からの弥代君と奈々ちゃんの会話は、まるでp.101~102のやりとりがなかったかのようで、二人の記憶障害が心配されます。
編集者の方、これでGOサイン出したらダメでしょう……。
おばかコメディのぶっとび展開と、支離滅裂というのはまったく違います。コメディなめないでください。
あと、p.115の奈々ちゃんのセリフ『やっぱり知ってたんですか? 弥代君の幼馴染みだから、もしかしたら及川さんも……なんて思ってたんですけど』は、飛躍しすぎだと思います。
直前のお姉ちゃんのセリフ『久々に理央と茜にも会いたいし』だけから、話題を「茜の好意」に繋げるのはちょっと強引すぎます。
作家先生のやりたいことはわかるんですが、読者としてはこの二人が異次元会話をしているようにすら見えてきます。
直後のお姉ちゃんの心理描写が過度に説明的なのに、ここの説明不足は違和感あり。
上で「過度に」と指摘したp.117のお姉ちゃんのご説明。本文そこまで読めば、いちいち解説していただかなくても十分伝わってます!
そして、同じく挿入されたとおぼしきp.117~124の理央と茜の電話シーン。
これ、順当にp.178の実験後のシーンに入れたので良かったのではないでしょうか。
その方がp.179の展開にスッと入っていけます。
伏線張ったら一回別のシーン入れてから……、なんてルールないです。
わざわざここで出して数日置く必然性がないのは前述の弥代君の例同様。
もしかして誰かに「第四章で、姉が星宮さんのことを知らないのに、的確なアドバイスをするのはおかしい」と指摘されたがために無理矢理後からねじこんだのではないか、と邪推してしまうほど、p.91~の挿入はおかしいです。そして、二人の交流シーンは物語上不要だと思います。
お姉ちゃんは俯瞰視点の謎キャラのままで全然問題なく立つと思います。なのに、このノイズのせいで、キャラがぶれっぶれに感じられ魅力が伝わりません。
p.263の「パンツをかぶるんだ!」の処理は、フォローが早すぎです。
エピローグで、へらっと「あ、あれ冗談」とか笑って流すぐらいのバランスがお姉ちゃんのキャラには合っているのではないでしょうか。

結論として、
弥代君以外の一人称部分を全部カットして調整すれば、もっと引き締まった佳作になったかもしれません。
こういう、キャラが勝手に動いて展開を盛り上げていくような作品、ホント好きなんです。だから、応援させてください。お願いします。


主観:(+)

オススメ度:C


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