読書感覚文
主観と感覚のままに書き殴ります。ネタバレは、未読の方が今後読んでも楽しめる範囲で
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ひとつ海のパラスアテナ
ひとつ海のパラスアテナ
第21回電撃小説大賞<大賞>



(あらすじ)
 アフターの時代に生きる少年少女アキは、オウムガエルの船長キーちゃんと共にパラス号で航海をするメッセンジャー。ある日、嵐に巻き込まれ、浮島に漂着する。船を失ったアキを救ったのは、美しい金髪の女性タカ。ふたりは、ひとつ海の上で、絆を深めていく。

・マスコットかわいい
・女同士のホモソーシャル感
・ディテールの人

ディテールをしっかり描写する作家性が、サバイバルを描く上でもの凄く機能しています。
なので、物語全体の構造云々より、ワンシーンごとに着目して読むと一層作品の魅力が伝わるのではないでしょうか。
冒険というテーマに合わせているのでしょう、物語のイベントは必然性よりも偶然性をもとに置かれています。
そのため、良くも悪くも、次の展開が読めません。
少年的なアキ、女性的なタカ、ふたりのやりとりは楽しいです。
巷で言う「百合」に至らない程度の抑制の効いたバランスで描かれています。
アキが拗ねるシーンに魅力を感じた矢先、まさにp.220でタカのセリフで説明されたので、しっかり狙って描かれたのだと思います。
前述「良くも悪くも」の「良くも」の部分でした。
「悪くも」の部分は、上記のアキタカふたりのキャラの魅力がわからないと、大きく動きのある第三章の終わりまで、ストーリーが鈍重に感じられてしまうことでしょう。
他人のブログ記事をまとめて読まされているような気がしてしまうのです。
――今日はこんなことをした。でも、明日は何が起こるか分からない。
これです。
帯では「――ボクは、絶対に生きのびる」「『生きる』ことの原始的な意味を教えてくれる」
と銘打っていますが、
割と切迫感が伝わってこないんですよね……。
――今日は生き延びた。でも、明日は死ぬかもわからない。
という帯から想像されるような危機感はあまり感じられません。
もちろん、海にはいろんな敵がいて、常に彼女らは命の危機にさらされているんだろうな、と想像を膨らませることはできます。
しかし、文章上では敵(らしいもの)が出てくるごとに「新出」単語として提示される形なので、どうしても「常に脅威にさらされている」「数秒後に死ぬかも知れない」というサバイバル感は薄れてしまうのです。
p.75は泣いてしまいました。
まっすぐ「生きる」というテーマを描こうとする意気込みを感じて、感動していました。
それだけに、終盤一部展開には、テーマが冒涜されたような気がして正直生理的嫌悪感を覚えました。
おかげで二読目はp.75ちらっと数行見ただけで涙腺がゆるみ、胸が引き裂かれるような思いがして、いったん本を閉じてしまいました。

アキちゃんのキャラは個人的にすごく好きです。
p.200のドリルにはしゃぐシーンとかステキです。
p.240の絵は、良い意味で卑怯でしょう。初読時は涙腺ゆるみました。
p.306の最期の行は、良い意味でゾクっとしました。
良い小説を読んだなと、思わせてくれるような気の利いた表現は多く挟み込まれています。
とにかくワンカットごとのディテールが魅力です。
陸地のなくなった世界に生きる女の子の日記を読んでみたいという方にオススメいたします。


主観:(-)

オススメ度:B


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陸地のない世界観で女の子同士のちょうど良い乳繰りあいを楽しみたい方にオススメです↓





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