読書感覚文
主観と感覚のままに書き殴ります。ネタバレは、未読の方が今後読んでも楽しめる範囲で
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猿渡さん家のラグナロク
猿渡さん家のラグナロク



(あらすじ)
家族でMMORPG『ライブライフオンライン』にはまる猿渡家。ある日、価値観の違う隣人一家と大げんか。PvPトーナメントで決着をつけようと言うが……。

・田口作品、久々のファミ通文庫で最新作きた!
・さっと読めてふっと笑える
・安定の田口節

まず田口作品全般に関して。
田口作品の魅力はなんといってもざーっと勢いだけで読めるシンプルさ、メリハリだと思っています。
ゆえに、凝った設定、練り込まれた伏線、リアリティ溢れる描写、キャラクターの掘り下げを求めるのはそもそも間違い。じっくり腰を据えて読むような作品ではそもそもないことを明言しておきます。
ある程度の展開をきっちりと並べ、コンパクトに話をまとめる技量!
読者がライトノベルに何を求めるか? 「さくっと読めてそれなりに楽しめる」ことを求めるなら文句なしに田口作品を推します。
それが魅力です!

で、それはそれとして、本作はというと……
「おもしろくなくはない」
という読了感。
『吉永さん家のガーゴイル』の11巻よりは上。『Zぼーいずぷりんせす』の1巻よりは下。という感じ。
展開はきっちり用意されているし、イベントも盛りだくさん、ギャグも入っている。ラストのミューズの対応には唸るものがありました。まとめ方はさすがの技量。
しかし、「なんかぬるい」のです。
残念ながら、心地よいタイプの「ぬるさ」ではなく、消化不良タイプの「ぬるさ」の方です。
中盤、主人公サイドへの追い込みがあまりに緩すぎる。「え!? その程度?」というぬるい展開を、無理矢理盛り上げているような。「くだらないことに登場人物が本気になっている!」というスカシギャグとして取るのは無理です。スカシとしてはあまりに重いし、追い込みとしては軽すぎる。
実際の家族がオンラインゲームをやっているという初期設定そのものが、物語全体のぬるさを作り出している気がしてなりません。
「寄せ集めの家族」の対比として「実際の家族」を主人公として据えるのであれば、現実世界の描写は必要だったのでは無いでしょうか?
現実世界をまったく描かないというのは面白いアイデアであったはずなんですが……
結果として、甘やかされた世界で甘やかされ続ける人達が互いに甘やかし合っているという、嫌な取り方もできる作品に仕上がってしまったと思います。
ゲーム内という舞台設定でハートフルをやるのは、実はかなりハードルの高いことなのかもしれません。
田口先生独自のシュールなギャグがうまく生きてない部分が散見されるのも痛い。
『ガーゴイル』のような「ごく普通の家庭に門番が居る」「町の人の順応性が高すぎる」「なぜか怪盗やら錬金術師がいる」という笑いが成立するのは、舞台が我々が普段生活しているのと同じような普通に見える町(物語内制限が読者に想像可能な舞台)だから。シュールなギャグが成立するためには舞台と事象のギャップが必要なんです。『ガーゴイル』の「もうなんでもありじゃねぇか!(笑)」という面白さは、舞台設定によるところが大きいと考えます。
本作のように元からなんでもあり見える舞台(物語内制限が読者にはっきりと明示できない舞台)でシュールなギャグをやられても、その「おかしさ」「変さ」が読者には想像しにくい。結果、狙った笑いがずいぶん目減りしてしまっていると思います。

それでも!
やっぱり嫌いになれない田口作品!
ぬるさのために起伏がなだらかなものの、クライマックスのどんでん&どんでんには一定量の面白さがありますし、キャラ同士のアンサンブルは楽しい。全体の八割以上のシーンに二人以上のキャラが登場しているというのは、展開をわかりやすくするための大きなポイントです。
読了時間に対する満足度は低くないです!
さくっと余暇の時間を楽しみたい方にオススメです!


主観:(+)

オススメ度:B


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